九州モード探求舎

脱・東京 「ふるさと納税」制度

5月11日、テレビで「ふるさと納税」制度なるものが政府・与党で創設に向けて検討されていることを知った。

石原東京都知事の発言に呆れる

石原東京都知事は、「ふるさと納税」制度に対し「格差を唱えている各自治体が、人員整理や歳費節減をしたか。国だってやっていない。東京は必死になってやってきた」と吠えたが、石原東京都知事の不認識には呆れてモノが言えなかった。

本当に東京は必死になってやってきたから現在の東京なのか? それは違う。 戦後の国策でそうなっただけのことだ。 日本は、戦後復興のため強力なエンジンが必要だった。 人、モノ、金、全てのものを他の都市(人はこれを「地方」と言う)から掻き集めてきたのだ。 加えて、そうやって掻き集められた人達は東京で必死になって働いた。 そして、日本一の超繁華街となった東京は世界も驚くほど発展したのだ。

一方、レイプされた形になった東京以外の都市はどうなったか。 優秀な若者が東京に出て行き、残ったのはジジ・ババ・田畑と公務員だ。 会社だって優秀な若者がいない都市ではビジネスが成り立たない。 そりゃ、東京と東京以外の都市で格差が生じて当然なのだ。 宮崎県の東国原知事が 「地方の悲痛な叫びに耳を!」 と訴えていたが、正にその通りなのだ。

戦後の日本を立て直すには、東京一極集中が必要だったであろう、しかし、今、日本に必要なのは、日本全体の繁栄なのだ。 東京だけが繁栄すれば良いというようなものではない。 石原東京都知事は東京都知事という立場上、東京の利益を最大化させるように動くのはある程度やむを得ないことなのかもしれないが、東京以外の都市のことを切り捨てるような発言は慎むべきだ。

なぜなら、今、東京に住んでいる人の大部分は東京以外の都市から寄せ集められてきた人やその子孫なのだから・・・。

「ふるさと納税」制度と言うよりも・・・

そもそも国策で東京一極が生じたのであるから国策でそれを解消するのが筋だろう。 「ふるさと納税」制度は、納税者に選択裁量がある点で問題だ。 もっと数学的なソリューションを用いて自動的に処理すべきである。 数学的なソリューションとは、国策により生じた不均衡を補償する金額をコンピュータ・シミュレーションなどにより数学的に求めるということだ。

そうすれば、道理が明白なので、石原東京都知事のようなタカ派とて、理屈の前に屈服せざるを得ないであろう。 納税者だって悩まなくて済むし、なにより、煩雑な事務処理で税金を無駄にすることも無い。

それともう1点。 疲弊した東京以外の都市に金だけ回してもダメだ。 人、モノ、金、情報の4点セットでなければ、うまく行かない。 また、計画的にものごとを行うことも重要だ。 一番良いのは、大規模な最先端の国策事業を東京以外の各都市で1つづつ行うこと。 技術革新の種を積極的に東京以外の各都市に蒔き、世界をリードする優位性を高めることだ。 最先端の技術開発には膨大な資金力が必要で、それを、民間企業レベルで行うには限界がある。 国レベルで総力をあげて取り組まなければ達成は困難だ。

例えば、以下のような技術はドーンと開発資金を投じて推進しなければならない。

エネルギー開発
太陽エネルギー、温泉エネルギー、風力エネルギー、メタハイ、バイオ、原子力、その他エネルギー開発を加速させ石油に依存せず、日本国内だけで自前で賄えるようにする。そうすれば海外に無駄な日本円が流れず日本は裕福な国になれる。 今、石油成金が日本の土地などを購入しているが、そのような流れにも歯止めがかかる。もちろん、地球温暖化防止にも役にたつ。 安価にエネルギーを使えるようになった日本企業は海外勢に比べて優位に生産ができるので、海外に流出した工場も再び日本に戻ってくる。そして、日本は、再び技術立国として世界のナンバーワンとして揺るぎない地位を築くことができきる。

ロボット開発
人手の少ない日本にとって、様々なものを効率化させていくには不可欠。 高性能な人型ロボット(まあ、タケコプターとか叫ぶネコ型ロボットのようなものでもいいけど)をガンガン量産化して、一般市民レベルでも買えるようにすべきだ。 海外には高値で売ってあげたら良い。 そうして、裕福で時間にゆとりが生まれた日本人は、再び、本来の人間らしい生活を送れるようになり、子供の数も増え、少子化ともおさらばなのだ。 農業や畜産だって激安ロボットがやればコストダウンがはかれ、日本の食料は安全で低価格なものとなり、食料自給率100%どころか、海外にだってドンンドン輸出できちゃうかもしれないのだ。 また、ロボットは、あらゆる技術の集大成だから、日本のあらゆる技術を向上させる。 つまり裾野が広い。 これこそ日本国民の血税を投じるにふさわしい開発テーマだ。

安全開発
交通事故や自然災害で無くなる人をゼロに近づけるための様々な技術。 損失を最小限に食い止めることは日本の繁栄に欠かせない。

筆者:田吹 清己 (翻訳会社ソリュテック代表)

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